統合失調症は、患者本人だけでなく、その家族にも大きな影響を及ぼします。
多くの場合、症状の理解と適切な対応が早期介入と治療の成功につながるため、家族が正しい知識を持つことが非常に重要です。
このブログでは、統合失調症の基本情報から、医療システムへのスムーズなアクセス方法まで、家族が知っておくべき重要なポイントを解説し、家族として準備しておくべきことを掘り下げていきます。
様々な精神病の中でも、多くの罹患者が多い「統合失調症」。弊社で搬送を行う患者様の中でも、その多くを占めています。
「受診拒否」や「入院拒否」など、医療へ繋がらない場合、状況は悪化していく一方です。
統合失調症は、思考、感情、行動に影響を及ぼす深刻な精神障害です。
この病気には多くの症状がありますが、最も一般的なものには幻覚、妄想、思考の混乱、集中力や動機の欠如が含まれます。
統合失調症は一般的に若年成人期に発症することが多く、患者さん自身の日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
この病気の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因、脳の化学的バランスの乱れ、環境的ストレスなどが影響していると考えられています。
治療は薬物療法、心理社会的サポート、場合によっては入院治療が含まれ、個々の症状に応じてカスタマイズされます。
本ブログの目的とターゲット>>>
このブログは、統合失調症を持つ家族が直面する具体的な課題とその対処方法に焦点を当てています。
・精神病の診断を受けた家族を支援する方法
・緊急時の対応/治療オプションの理解
・患者とその家族が直面する精神的、感情的な負担を軽減するための方法
以上のような情報提供を目的としています。
「受診や入院を拒否している」場合、一般的な救急車では病院へ搬送することはできません。
家族のみではなく、「患者本人の同意」が必ず必要だからです。
多くの場合、バイタルサインのみ測定し、「緊急的に病院に受診する必要はない」と判断され、救急隊は帰ってしまいます。
しかし、家族が抱える問題は解決されないままです・・・そんな時こそ、民間救急車の出番となるのです!
民間救急車は、公的な救急医療サービスを補完する形で、緊急でない患者輸送や特定の医療条件を持つ患者の対応を行います。
これには、病院間の患者移送、定期的な透析治療への搬送、また精神病の急性発作時の安全な輸送などが含まれます。
中でも、精神患者搬送については、「消防」「警察」「役所」などが介入できない場合が多いため、民間救急の持つ役割はとても重要です。
精神患者搬送を行う場合は、下記のようなスペシャリストが重要な役割を担っています。
▶︎精神科看護師:精神科看護師は、精神疾患を抱える患者の評価、治療、そして管理を専門としています。彼らは患者の行動や精神状態の変化を的確に把握し、緊急時には適切な対応を提供できる知識とスキルを持っています。
▶︎心理カウンセラー:精神疾患の患者に対する心理的支援を専門とするカウンセラーも、時には民間救急サービスの一員として参加することがあります。彼らは患者の不安を軽減し、心理的な安定を支援するための技術を持っています。
これらの専門職は、患者が安全で効果的な医療を受けられるように協力し合っています。
それぞれが独自の専門知識を持ちながらも、チームとしての連携を重視し、患者のニーズに対応するために必要な総合的なケアを提供しています。
どのような症状があり、どのような対応をすれば良いのか?症状を増悪させないために、このポイントは押さえておきましょう。
統合失調症の典型的な症状は大きく分けて「陽性症状」と「陰性症状」があります。
【陽性症状】>>> 現実には存在しないものを聞いたり見たりする幻聴や幻覚、現実とは乖離した誤った信念や思い込みである妄想が含まれます。
【陰性症状】 >>> 感情の表出の減少、意欲の低下、社会的引きこもりなどがあります。これらの症状は日常生活に支障をきたすため、早期に識別し、適切な対応をとることが重要です。
以下の表に症状をまとめましたのでこちらもご参考ください▼
統合失調症の患者が極度の混乱や恐怖を感じるような症状を示した場合、または自己や他者に危害を加える恐れがある場合は、速やかに専門の医療機関への入院を勧めることが望ましいです。この時、患者や家族とのコミュニケーションには以下のポイントを心掛けてください。
※家族が注意すべき4つの重要ポイント※
①落ち着いて話す:患者が不安を感じないよう、落ち着いた声のトーンと穏やかな態度で接することが重要です。
②明確な言葉を使う:精神状態が不安定な時には、複雑な説明や選択肢を提示することが混乱を招くことがあるため、言葉を簡潔にし、必要な情報だけを伝えます。
③安心感を与える:入院は治療を受け、症状を改善するための一歩であると説明し、治療を通じて日常生活の質が向上することを強調します。
④共感を示す:患者の感じている不安や恐怖を理解し、共感の意を示すことで、信頼関係を築きやすくなります。
緊急時には、迅速かつ適切な対応が必要です。家族や関係者が、上記のコミュニケーションのコツを活用し、専門の医療機関への入院を積極的に勧めることで、患者の症状の悪化を防ぎ、早期に治療を開始することが可能となります。
“入院してもらいたいが、どのような流れで手続きをすれば良いかわからない・・”そんなお話をよく聞きます。
精神疾患を持つ患者様の入院にはいくつか種類があります。
ここでしっかりと把握し、より早く医療へ繋げましょう。
【任意入院】
患者自身が自分の意志で入院を選択する形式です。これは、患者が自らの症状を理解し、治療を受けることに同意している場合に適用されます。任意入院は、患者と医療チームとの協力関係に基づいており、治療への積極的な参加を促します。
【医療保護入院】
患者が自己の意志で入院することを拒否しているが、その状態が自己または他者に対して明らかな危険をもたらす可能性がある場合に、保護の目的で実施される入院です。医師が患者の状態を評価し、入院が必要であると判断した場合に行われます。
【措置入院】
精神保健福祉法に基づいて行われる入院で、患者の状態が重く、社会的にも危険がある場合に、家族や法定代理人の申し立てによって行われます。この入院は、患者自身の意志に関わらず、他者の保護と公共の安全を確保するために必要とされる場合に適用されます。
【強制入院】
患者が重大な危険を及ぼす恐れがある場合に、裁判所の決定により行われる入院です。この入院は、法的手続きを経て、患者が治療を受ける環境を保証するとともに、公共の安全を保つ目的で実施されます。強制入院は通常、他の手段が尽くされた後の最終手段として考えられます。
【任意入院】
>>> 患者または家族が医師と相談の上で決定します。
【医療保護入院】【措置入院】【強制入院】
>>> それぞれ異なる法的要件があり、医師、家族、裁判所が関与することになります。
どのタイプの入院も、患者の状態と権利を考慮しながら、適切な治療を提供することが目的です。
各入院手続きには、必要な書類の提出、医師の診断書、そして場合によっては法的な審査が必要です。これらのプロセスを通じて、患者の健康と安全が最優先で考慮されることが保証されます。
統合失調症を持つ家族がいることは、多くの不安や疑問を家族にもたらします。
症状の不確実性や将来への影響、社会的な偏見などが主な心配事です。
これらの不安に対処するためには、正しい情報を得ることが最も重要です。
病気についての知識を深め、どのような支援が利用できるかを理解することで、不安を軽減できます。
また、家族支援グループに参加することで、経験を共有し、互いに学び助け合うことができます。
家族が利用できる支援リソースは多岐にわたります。
地域の保健所や市町村が提供する精神保健福祉センターでは、専門の相談員が対応しており、病気の理解、治療方法、地域での支援サービスについての情報提供を行います。
また、非営利団体や自助グループも多数存在し、患者や家族が直面する困難に対する具体的な助言や情報交換の場を提供しています。
家族は、統合失調症という病気を一人で抱え込む必要はありません。
専門の医療提供者や支援団体、そして同じ状況にある他の家族と協力しながら、患者本人も家族も健やかな生活を送れるようサポートを受けることができます。
このプロセスは一歩ずつ進めていくことが重要で、常に適切な情報とサポートが必要とされます。
最終的には、患者と家族が共に成長し、より良い未来を築くための基盤となります。
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