秋田県医療機関〜都内高齢者施設【新幹線搬送】

搬送内容

年齢 / 性別：80歳代 / 女性

体格：小柄

ADL：全介助

同乗者：家族

医療処置：酸素投与

病名：末期癌

搬送車両：新幹線/救急車

介助員：救急救命士

搬送経路：病院〜施設

お問い合わせ

ご家族さまから弊社の公式ラインアカウントにご相談がありました。
秋田県の病院に入院中のお母さまは末期癌で療養中とのことでしたが、余命僅かであるため最期は家族の近くで過ごさせてあげたいとのご希望でした。

しかし、状態が悪いため搬送途上に亡くなってしまう可能性もあると医師から伝えられ、信頼のできる搬送業者を探していたようです。

弊社では早速、患者さまにとってできる限りご負担のかからない経路、及び搬送プランをご提示させていただきました。

秋田県内の搬送業者の手配、新幹線チケット及び多目的室の確保、新幹線降車駅から入所施設までの車両及びスタッフの確保を早急に行い、搬送当日に備えます。

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搬送当日

今回の患者さまは非常にデリケートな状態であるため弊社スタッフ1名が前日に秋田県に向かい、当日は入院先の病院から付き添うこととなりました。

弊社スタッフが病院スタッフから患者さまの状態や医療処置などの「申し送り」を受けた後、秋田県の搬送業者さまと共に患者さまをストレッチャーに移動し、車両に向かいます。

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「介護タクシー」では酸素を常備することができず、投与ができないことから、移動中の酸素投与は弊社がご用意した携行用酸素ボンベを使用して東京まで向かいます。

新幹線乗車駅のホームで待機している時、患者さまは景色を眺めながら
「もうここには戻って来れないかもしれないね。。」と寂しそうな表情を浮かべておりました。

新幹線が到着すると、患者さまを「多目的室」まで移動しました。
秋田県の搬送業者さまとはここでお別れです。

多目的室内では患者さまは横になった姿勢で降車駅まで向かうことができます。
また、救急救命士であるスタッフが付添い、随時バイタル測定などを行いながら患者さまの状態を見守ります。

新幹線出発からおよそ1時間ほど経過したころ、患者さまの容態に変化が起こりました。
→→酸素飽和度の低下です。

呼吸が弱く、浅くなってきていたのでした。
弊社スタッフは慌てることなく、「バックマスク」を取り出し、「補助換気」で患者さまの呼吸をサポートしていきます。

※この「補助換気」と呼ばれる手技は、患者さまの呼吸に合わせて空気を送るという非常に高度な人工呼吸法のひとつです。

>> このような突然の容態変化に対する対応力は、元救急隊ならではのもの。
しばらくすると、自発呼吸も安定し、酸素飽和度も正常値まで回復したのでした。

新幹線降車駅に到着すると、弊社の搬送チームがストレッチャーを準備して待機していました。
患者さまの状態を注意深く確認しながら弊社の車両まで移動します。

施設までは約1時間の道のりです。
振動を極限まで抑えたハンドリングで、患者さまの負担を軽減しながら無事に施設に到着することができました。

施設のベッドまで患者さまをお搬びさせていただき、施設の看護師に道中のバイタルや、経過などの「申し送り」を行い、弊社は引き揚げとなりました。

患者さまは、余命僅かとのことでしたが少しでも長く、ご家族さまとの時間を過ごすことができるよう、弊社スタッフ一同心から願っております。

ご利用者様の声

秋田の実家近くの病院に1人で入院している母が、余命僅かであると伝えられました。
覚悟はできていたつもりでしたが、どうしても最期は家族の近くで看取ってあげたいと思いました。担当医に相談したところ、「移動中に亡くなってしまうかもしれないけれど、一体どうやって連れていくのか」と聞かれ、必死で母を搬送してくれる業者を探しました。

搬送中のリスクや、担当医への説明など嫌がる業者が多い中、Sun Roadさんは「私たちが担当医へご説明いたしましょうか？」と積極的に病院側とコミュニケーションを取っていただいた他、しっかりと「搬送スケジュール」を病院と施設に送っていただいたりと細やかな心遣いで、搬送の計画を立てていただきました。

Sun Roadさんと連絡を取った担当医から、「Sun Roadさんを使っても亡くなってしまう可能性はあるけれど、もしもの時は彼らが何とかしてくれる。彼らができなければどの業者使ってもできないでしょう」とまで仰っていただき、Sun Roadさんに希望を託すことにいたしました。

頑固な担当医をあそこまで言わせるSun Roadさんはさすがです。
実際に、新幹線内で母の呼吸が弱まった時も人工呼吸？を行いながら、私に的確な説明と指示を与えてくれました。

おかげさまで無事に施設に辿り着くことができ、母は3週間後に家族に見守られながら永眠いたしました。
この3週間は孫が遊びに来たり、家族で笑いながら昔話をしたりと何事にも変え難い、幸せな3週間でした。母も家族も心が救われました。本当に心から感謝しております。
ありがとうございました。