下記のような方におすすめの記事です。
今回の目次は次のとおりです。
精神疾患を抱えるご家族と共に生活していると、ただでさえ忙しい毎日の中で、いつもどこかに“気を張っている自分”がいます。
精神疾患の家族の気持ちや体調に敏感になりすぎて、つい自分の感情を押し殺してしまったり、「これ以上は踏み込まない方がいいかも」と、必要な声かけさえためらってしまったり。
一度怒り出したら止まらない、あるいはまったく口をきかなくなる。
こちらの声が届かないもどかしさの中で、「あれも言わなければよかったかも」「もっと優しくできたのかも」と、夜にひとり反省してしまうこともあるかもしれません。
周囲に相談しても、「大変だね」「がんばってるね」と言われるだけで、実際にその“しんどさ”を理解してもらえることは少なくて。
ふと気づけば、心の中にぽっかりと穴があいているような感覚になることもあるでしょう。
それでも、この記事をご覧のあなたは、しっかりとご家族としてちゃんと向き合っています。
相手のために、そして家庭を守るために、自分の感情と葛藤しながら踏ん張っています。
その姿は、傍から見れば決して“普通”じゃないほどの努力かもしれません。
だからこそ、まず伝えたいのは、「ひとりで抱え込まなくていい」ということ。
あなたの心の余裕が少しでも戻るように、このコラムでは、実際に寄せられた声や、支え方のヒント、そして専門機関とのつながり方についても紹介します。
ここでは、実際の事例を取り上げ紹介します。
下記の事例は、精神疾患のあるご家族が限界を感じた時に、民間救急を利用しているケースが多くあります。
実際の事例を知ることで、ご家族が今後何らかの選択をする際の一助となればと思います。
「もう限界かもしれない」と、電話越しに涙ぐみながら話してくださったのは、50代のお母さまでした。
ご自宅で暮らす息子さんが、統合失調症の診断を受けていたものの、通院や服薬を拒否し続けており、家庭内や近隣住民とのトラブルも増えていたといいます。
食事を投げつけられる。暴言が飛んでくる。
時には、家の中の壁や家具が壊されてしまうこともあり、「警察を呼ぶべきか」「誰かに相談しても意味があるのか」と、出口の見えない毎日に疲弊しておりました。
そんな中で、ご家族が思い切って精神科の病院に連絡を取り、ご本人の状態を伝えた上で、病院との検討の結果、民間救急での医療搬送をすることになりました。
最初は「無理やり連れて行くことになるのでは」とご不安な様子でしたが、事前にご家族と病院とでしっかりと連携を取りながら、なるべくご本人の心情を乱さない形で搬送計画を立てていきました。
結果として、無事に病院で診察を受けることができ、適切な治療と服薬の開始につながったことで、家庭内の混乱も少しずつ落ち着きを取り戻していきました。
もちろん、そこからすべてが一気に好転するわけではありません。
それでも、ご家族が直接「相談してよかった」「誰かに頼ってもいいんだと思えた」とおっしゃっていたその言葉が、今でも心に残っています。
精神疾患は、完治が難しい病気だと言われています。
けれども、「よくなることはあるのか」「少しでも前向きになれる日が来るのか」と悩んでいるご家族の方にこそ、伝えたいことがあります。
たしかに、一足飛びで状況が改善するわけではありません。
それでも、適切な治療や支援につながることで、ご本人の中に少しずつ変化が芽生えていく姿を、私たちは実際に見てきました。
この章では、実際に入院後の治療を受け、退院したあとも地域の支援を受けながら、社会とのつながりを取り戻し始めたご本人と、その家族の事例をご紹介します。
ご家族の中には、「入院させれば何とかなる」「入院すれば終わり」と思われる方も少なくありません。
しかし、本当に大切なのは“退院後の暮らし”をどう支えるかということ。
入院はあくまで支援のスタート地点に過ぎません。
これからご紹介する事例が、今、支える立場にいるご家族の方にとって、未来を描く一助となることを願っております。
入院を経て、息子さんの状態は少しずつ落ち着きを取り戻していきました。
医師の適切な判断と投薬調整、病院スタッフによる丁寧な関わりにより、強い不安や混乱は徐々にやわらぎ、数週間後には本人からも穏やかな言葉が増えてきたそうです。
そして、迎えた退院の日。
Aさんは「正直、またあの頃に戻るんじゃないかと怖かった」と打ち明けてくれました。
ですが、退院後のフォロー体制がしっかりと整っていたことで、その不安は次第に安心に変わっていきました。
地域の訪問看護師が定期的に様子を見に来てくれ、服薬や生活リズムの管理もサポート。
デイケア施設への通所も始まり、息子さんは自分のペースで外との関わりを少しずつ取り戻していったのです。
驚いたのは、Aさんから届いた、ある日のLINEのメッセージでした。
「今日は本人が“この間の施設の活動、また行ってみようかな”ってぽつりと言ったんです。涙が出るほど嬉しかった」
あのとき、たしかに「もう限界」と話されていたAさん。
でも今では、「本人なりの未来に向かって歩こうとしている姿を見て、私も前を向けるようになりました」と語ってくれます。
精神疾患は、完治というゴールを単純には描きにくい病です。
けれど、支援の手を借りながら、“できること”を少しずつ増やしていける。
その積み重ねは、本人にとっても、ご家族にとっても、大きな希望になるのだと、Aさんの姿が教えてくれました。
精神疾患は、風邪やけがのように「いつの間にか治るもの」ではありません。
時間が経てば落ち着く。
そう信じて、ただ待ち続けてしまうご家族も多くいらっしゃいます。
ですが、いま直面している状況が、どのような状態なのかを“正しく知ることが、支援の第一歩です。
とはいえ、ご本人が受診を拒んでいたり、会話もままならない状況では、どうすればいいのか分からなくなるのが当然です。
そうしたとき、最初に動けるのは“家族”です。
ご本人を無理に動かすのではなく、まずはご家族が専門機関に相談すること。
今の状態を専門家に伝えることで、適切な受診方法、支援の選択肢、対応の仕方について、具体的なアドバイスを受けることができます。
実際、支援につながったご家庭の多くは、「最初にご家族が動いたこと」がきっかけになっています。
「どこに相談すればよいか分からなかった」と話される方も少なくありませんが、以下のような窓口から相談を始めることができます。
相談することで、医療機関の紹介や支援制度の説明を受けられるだけでなく、ご家族自身の心の負担が軽くなるということも多くあります。
「このままではいけない」と感じたときこそ、誰かに相談みてください。
ご家族を思うからこそ、「何とか自分たちだけで支えたい」と考える方は少なくありません。
ですが、精神的な負担が長期にわたれば、支える側も心身の限界に達してしまいます。
実際に、「連れて行きたいけれど、暴れてしまったらどうしよう」「説得ができずに受診できないまま数ヶ月が経った」というご相談も、私たちのもとに多く寄せられています。
そんなとき、民間救急という手段があることを、ぜひ知っておいてください。
ご家族だけで、精神疾患を抱えるご本人を医療機関へ連れて行くことに限界を感じたことはありませんか?
「説得しても動いてくれない」「暴れてしまったらどうしよう」――そうした不安の声を、私たちはこれまで何度も耳にしてきました。
そんなときに頼れるのが、民間救急という選択肢です。
私たち Sun Road救急サービス では、精神疾患を抱える方の搬送について、次のような体制でサポートしています。
ご家族の思いに寄り添いながら、「今できること」から一緒に始めていく。
それが私たちの役割です。
「誰にも頼れない」と感じたときこそ、私たちのような専門の搬送支援にご相談ください。
あなたのその一歩が、ご家族の未来を変えるきっかけになります。