ご相談は患者様のご家族よりいただきました。
患者様は統合失調症や躁うつ病の診断歴があり、ここ2週間ほど夜間徘徊や物に当たる行為、誇大妄想が強まり、家庭内での生活が難しくなっていました。
入院への拒否は強く、「病院には絶対に行かない」と繰り返し訴える状況。
家族だけでは対応が困難であったため、精神科搬送に実績のあるSun Roadへの依頼となりました。
当日、自宅での本人接触時は強い興奮が見られました。
自宅内を落ち着きなく歩き回り、携帯電話で知人に次々と連絡を取ろうとする姿もあり、病院搬送の合意は得られませんでした。
Sun Roadスタッフは無理に制止するのではなく、「危険行動に至らない範囲で観察と傾聴を続ける」という姿勢を貫きました。
特にカウンセラーは本人の仕草に注目し、繰り返される貧乏ゆすりや落ち着きのない歩行から「アカシジア(薬の副作用として起こる強いムズムズ感)」の可能性を察知しました。
そこで「足の裏や身体が熱く感じたり、ムズムズして落ち着かないことはありませんか?」と質問すると、患者様は「それがずっと治らないんだよ!」と叫び、「なんで分かったんだ?あんたもそういうことがあるのか?」と驚きの反応を示しました。
カウンセラーは丁寧にアカシジアの症状を説明し、適切な治療を受ければ症状を和らげることができると伝えました。
この「本人が訴える苦痛への共感と医学的説明」によって信頼関係が築かれ、最終的に患者様は「病院に行こう」と自らの意思で歩いて車両に乗り込みました。
搬送中も落ち着いた状態を維持し、そのまま無事に所沢慈光病院へと入院することができました。
このたびは本当にありがとうございました。
最初はどうなるかと家族全員が不安でしたが、スタッフの方がただ抑え込むのではなく、本人の気持ちや苦しみに耳を傾けてくださったことで、最終的に自分から病院に行くと言ってくれました。
本人が口にしにくかった症状(ムズムズ感や落ち着かなさ)を言い当ててもらえたことが大きなきっかけになったようです。これまで何度も拒否に悩まされてきましたが、今回は穏やかに病院に到着でき、家族としても安心しました。
今後も困った時は必ずお願いしたいと思っています。