自宅〜都内精神科医療機関【説得】

搬送内容

年齢 / 性別：80歳代 / 女性

体格：小柄

ADL：自立

同乗者：区役所職員

医療処置：なし

病名：アルツハイマー型認知症

搬送車両：ハイエースタイプ

介助員：心理カウンセラー、救急救命士

搬送経路：自宅〜病院

お問い合わせ

搬送の5日ほど前に、生活福祉課（区役所）の職員の方からご相談をいただきました。
お話を伺うと、お一人暮らしの高齢女性がアルツハイマー型認知症を患っているにも関わらず、通院を拒否し、服薬もなされていないことから「妄想性障害」が顕著となり、ここ最近ご近所へのトラブルが絶えないとのこと。

夜間に大声で叫んだり、床や壁を叩くなどして警察も介入したため、医療保護入院に向けた移送を考えているとのことでした。

アルツハイマー型認知症って？ >>

アルツハイマー型認知症の原因は完全に解明されてはいませんが、脳にアミロイドβという特定のタンパク質が蓄積し、それが脳神経を変性させ、脳自体が萎縮してしまうと言われています。
徐々に症状が進行し、記憶や見当識、認知機能に障害を起こし、今まで日常生活において普通にできていたことができなくなってしまいます。

アルツハイマー型認知症は、初期段階から記憶を司る「海馬」という領域が損傷するため、「もの忘れ」症状が顕著となります。
しかし、高齢者の方は「年相応のもの忘れ」と混同されがちで、徐々に重症度が増してしまうことが多いため、できるだけ初期段階で発見し、治療に繋げていくことが大切です。

弊社では早速人員及び車両を確保し、心理カウンセラーを中心としたブリーフィングが行われ、当日に備えます。

搬送当日

精神科への受診は予め予約が必要となります。
また予約の際に必ず診察時間を提示されます。弊社では説得及び搬送時間を逆算し、患者さまのご自宅に伺います。

患者さまのご自宅前で、ご依頼者さま（生活福祉課）と合流しました。
搬送に伴う打ち合わせを済ましたのち、ご依頼者さまと共にご本人さまのご自宅に向かいます。

ご自宅に入ると当然ではありますが、初めて会うスタッフの姿に警戒の眼差しが向けられます。

精神科救急の現場において、スタッフの第一印象はその後の活動に大きく影響します。
弊社スタッフは頭の先からつま先、態度、言葉遣い、視線、接遇における全てに最大限の配慮を以って患者さまに対峙します。

ご本人さまはスタッフの対応に安心したのか、「座ってお茶でも飲んでください」と弊社スタッフとご依頼者さまを丁寧にご自宅に招き入れたのでした。
スタッフは一瞬のうちにご自宅内、そしてご本人さまを観察します。

ご自宅内は驚くほど整理整頓され、床も綺麗に掃除されているようでした。
患者さまの頭髪や爪は綺麗に手入れされており、とても几帳面なお人柄であることが伺えます。
言葉遣いも丁寧ですが、やはり会話の端々に現実的ではない会話が散見され、ご本人さまも心が疲弊されているように見受けられたのでした。

スタッフはご依頼者さまと共に、本日来訪した目的を丁寧に伝え、ご本人さまの心と身体の健康を確認するための受診に同意を得ることができました。

車内の様子

車内ではご本人さまは椅子に座り病院に向かいました。
約1時間30分の道のりです。
普段行き慣れた病院とは違うため徐々に不安を口にするようになりました。
スタッフとご依頼者さまでお声がけしながら、ご本人さまの不安を取り除いていきます。

院内の様子

患者さまの精神状態が非常に落ち着いていたため、院内の待合室に案内されました。
診察開始までの時間を弊社スタッフが付き添い、不安が大きくならないようご本人さまの気持ちに寄り添います。

その後も、興奮などは見られず無事に病院スタッフに引き継ぎ、弊社は引き揚げとなりました。
ご本人さまが入院中に適切な服薬コンプライアンスを身につけていただき、元気な姿でご自身の生活に戻られるよう、弊社スタッフ一同願っております。

ご利用者様の声

私が担当する高齢女性を、医療保護入院に向け移送することが決定しました。
ご本人さまの移送にあたり、課内でも有名なSun Roadさんにお願いすることとなりました。
どんなに暴れや拒否が強くても、上手に穏やかに移送してくれる業者さんと聞いていました。
当日も心理カウンセラーの方が上手に話を持っていってくださり、穏やかに病院へ向かうことができました。また何かあればご相談させていただきたいと思います。